信託財産には何が入れられますか?制限はありますか?
信託財産として委託者から受託者に託す財産については、金銭に見積もりうる財産(積極財産)であれば、特に法律上の制限はありません。
例えば、金銭・動産・不動産・有価証券・特許権等の知的財産などです。
しかし、これらを信託財産として設定することは理論上は可能なのですが、まだ家族信託の普及がそこまでされておらず、家族信託への対応をしていない金融機関等もあるので、実務上の障害があるのも事実です。実際に信託財産として活用されているのは「金銭」「不動産」「未上場株式」がほとんどです。金融機関等のこれからの家族信託への対応を期待したいところです。
一方、委託者の生命・身体・名誉等の人格権は信託財産に含まれません。
また、消極財産である「債務」は信託財産に含まれないとされています(※)。なお、委託者と受託者の合意に基づき、委託者の債務を信託財産として受託者が債務引受けをすることは可能です。この場合、債権者の同意を得ることにより委託者は当該債務から免責されます(免責的債務引受け)。
つまり、積極財産を信託するとともに、債務引受けを行うことによって、実質的には消極財産も信託したとの状態を作り出すことが可能になります。